2005.7月の先週のハイライト

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05.07.04.

暑い日が続きます。
工事に追われ、このコーナーも、手抜きが目立ってきました。(反省!)
今回は、2週分の《先々週のハイライト》をまとめて、お送りします。


まず、6月17日に、ファーム富田の彩(いろどり)の畑に、
《森の舎》という施設が完成しました。
ラベンダーに囲まれたストライプのカラフルな花畑の中心に出来たのです。
花畑の脇を、歩くだけでなく、上のほうから見たら、もっと綺麗に見えるのでは?
ということから始まった計画ですが、松林の木陰の気持ち好さに魅せられ、『チョット休めるところ』と
造り始めたウッドデッキが、どんどん奥に広がりました。


←現場で休憩する職人さん

 
工事中に職人さんが、気持ち良さそうに休んでいるのを見ると、幸せな気分になりました。
近くに、こんなに気持ちの好い場所があることに、10年間、気が付かなかったのです。
工事をしていても、エゾリスが近づいて、何が出来るのかな?という顔をしていました。
どちらかというと建築は、自然を破壊することが多いので反省していたのですが、
人と自然が近づく為の、キッカケを創ることも出来るんだ、と感じ、嬉しくなりました。
いままで遠くから眺めていた松の木に囲まれ、実際に手で触れる事が出来るのです。
身近で見る松の木は、想像以上に大きく逞しく、風が吹くと、サワサワと音がして、
ユサユサと動くのも判りました(手摺の設計には手こずりましたが・・・)。
《花のファーム富田》の、新しい魅力になってくれれば良いと思います。


つぎの週の、6月22日には、長沼のTさんの家の、完成引渡しがありました。
雪どけを待てずに始まった工事ですが、なんとか工期に間に合いました。
見積調整で1つになった天窓を、工事の途中で復活した2つの天窓のおかげで、
とても明るい、Tさんらしい家になりました。
←天窓二つ

←食堂

←2Fファミリールームからの吹抜見下ろし

←多目的室
天窓の下の階段や造り付けのダイニング廻りが、この家の『ハイライト』です。
もちろん、2階のファミリールームから、吹抜け越しに見下ろすリビングや、
Tさんご自慢の多目的室(なぜか、AVルームになってしまいましたが)も素敵ですが、
新しい生活は、きっと、このコーナーが家族の中心になるような気がします。
それこそ、Nさんが最初からこだわり続けた、『いつも家族が一緒にいられる家』です。
これから、庭作りが始まります。きっと、Tさんらしい庭になることでしょう。
引越しの日が、お天気でよかったですね、そのうち、お邪魔します。


そんな訳で、遊んでいて穴を開けた訳ではないのです、
と言うのはウソで、実は、6月25日から27日まで、親孝行と称し、
利尻・礼文にウニを食べに行っていたのです。




←レブンアツモリソウ
去年の7月に、父の供養で母と兄弟家族がフラノに集まったのですが(2004・7参照)、
ことしは、利尻・礼文で供養しよう(?)ということになったのです。
変な家族だとは思いますが、来年は、どこで供養することになるのでしょうか?・・・・・。


05.07.15.

またまた、『ゴメンナサイ』から始まります。
いっその事、『先々週のハイライト』にしてしまおうか、と考えましたが、
きっと、その次には、『先々々週のハイライト』になり、
はたまた、『先月のハイライト』しまいには『去年のハイライト』になってしまいそうで、
やめることにしました。

《閑話休題》
先々週は、《森の家》と《柏が丘M邸》が着工しました。
いよいよ、後半戦の始まりです。
《森の家》は、名前に反して、交通量が多いのと、斜面を利用するために、
土を掘るトンネルのような工事なので、いきなり、緊張したスタートになります。
天気に恵まれ、安全に工事が進むように、Mさんと一緒に祈願しました。


《柏が丘M邸》は、旗竿地といって、道路から20メートル奥まった土地なので、
建物本体の工事を始める前に、電気や上下水道の工事が先行します。
建物の位置を決めたのですが、去年の台風のときに、ポプラの木が2本倒れたので、
建物からの景色が、一層、良く見えるようになりました。
建物が完成してからの台風で倒れたら、きっと、怖かったに違いありません。
人生、何が幸いするか、判りません。


2軒とも、10月の完成を目差しています。   乞う、ご期待!


さて、先週の7/5(火)には、《建築家カタログ》発刊1周年を記念して、
なぜか、モエレ公園で、編集会議を開催しました。
あいにくの雨で(恵みの雨だったのですが)、ガラスのピラミッドの中で
お昼のランチを食べながらの会議でしたが、気持ちの良い時間を過ごしました。

肝心の売れ行きのほうは、返品や追加注文がないと売上にならないので、
正確には把握できませんが、700冊は換金出来ているので、
実際には、1000冊以上は売れていると考えられる状況なので、
早く1000冊売上計上できるように、販売元にお願いする事にしました。
そうしないと、Vol・3の編集の企画を進められないからです。
皆さんも、ぜひ、販売にご協力ください。
次回は、1000冊売上達成記念編集会議にしよう、と、閉会しました。


それから、ファーム富田の会長の《ゲストハウス》のアプローチが完成しました。
今年完成した《森の舎》を見て、6年前に完成した《ゲストハウス》にも、
『あんなのに、簡単な屋根をつけたのでいいから、作って欲しい』と言われたのですが、
傾斜あり・足元に大きな岩があり・駐車スペースとの関係もあり、
そう簡単にはいかない工事でしたが、『森の舎』の経験がモノをいって、
見事に完成にたどり着きました(そのくらい、難工事だったということです)。
この工事が、『森の舎』より前だったら、こんなにうまく出来なかったと思うし、
『森の舎』の工事費は、3倍くらいの手間賃になっていた事でしょう。
『いやはや、なんとか、終わって、ヨカッタ、ヨカッタ』
ともあれ、料亭のアプローチのような写真を見て下さい。
夜景は、もっと、雰囲気が好いですよ。








来週も、ヨロシク!!!


05.07.29.

●「住宅賞候補作品見学会」のレポートby 河村

7/16(土)見学会がおこなわれました。
最初に、朝9:30に長沼マオイの丘公園(道の駅)に集合し、
フキノトウ賞(新人賞)候補の2軒から見学し始め、
一日かけて、8軒の建物を見て回るハードな見学会でした。
←藻岩山のある家

←藻岩下の家

見学するときには、僕は自分の感覚的なもの、
気持ちいい、かっこいいとか、落ち着くとか、おもしろいなど。
そういうのをできるだけ丁寧に見て、体験として記憶することを心がけています。
それがなぜそう感じるのか、その場でハッキリ分かることは、
まだまだ少ないのですが、
とりあえず現場では、
シーン、空間を体感すること(オーラを感じ取る?)が第一です。

ベテランの建築家たちが、設計する家と、
新人と言われている建築家たちが設計する家には、
どんな違いがあるのか、じっくり見てみたかったのですが、
翌週のスライドレヴューで発表する11作品の内、
実際中に入って見られたのは、フキノトウ賞候補の4軒と、
ハルニレ賞(大賞)候補1軒しか見られなくて残念でした。

新人賞候補の家は、
やりたいことがいっぱいあって、
いろんなことをたくさん考えて、できたんだなぁ。という感じ。
大賞候補の家は、
なんとなく設計者の余裕を感じさせる(やりたいことがハッキリしている)、
どっしりとした安心感(今回は少なかったが、、。)があるのかな?
と感じました。

どの作品も設計者の意気込みがいっぱい伝わってきて、
見る方も疲れました(この日は暑かった)が、
大変勉強させていただきました。
ありがとうございます。


●「住宅賞候補作品スライドレヴュー」のレポートby 桶谷、河村、染谷

7/22(金)のスライドレヴューは、アルクム3人とも見に行ったので、
アカシア賞(集住部門賞)、フキノトウ賞(新人賞)、ハルニレ賞(大賞)を
それぞれが、選出してみました。
←会場の雰囲気

★染谷選出
アカシア賞
□ Brilla中央図書館前

30年に亘り、北国の集合住宅を、防寒や工法の技術の向上を図りながら、
建築としての質を保ち、なおかつ、コートという、北国ではなじみのない手法を、
根気良く、しかも、改良しながら定着させた功績は、この賞に値すると思います。

フキノトウ賞
□オジノイエ

4軒の中で、唯一見せてもらった住宅です。
場所の空気や時間を、丹念に紡ぎ、織り上げたような作品のように感じました。
外形の大きさや形の決め方、材料の選択と組み合わせ、色づかい。
道路の傾斜に対応した内部のレベル差とプランニング。
押さえ気味の開口部からの風景や光の採り方(閉じ方?)。
それらが織りなす環境から、建築の力を感じる事が出来ました。
欲を言えば、外部と生活の繋がりが、もう少しはあってもいい様な気がします。
外構計画はあるのでしょうか?

ハルニレ賞
□ 東川の家

白皙の家も見せてもらいましたが、とても素敵な空気が感じられました。
ただ、街との関係が、お洒落ではありますが、乏しいのが気になりました。
その点、東川の家は、スケールと形態が、北国の風景にマッチしていました。
シンプルな形態に、ちょっとしたひねりを加えることにより、
豊かな内部空間を確保する手法は新鮮でした。
★河村選出
アカシア賞
□ 該当なし
伊達の援護寮は、プランニングに面白みを感じましたが、
白すぎる空間が気になりました。

フキノトウ賞
□ オジノイエ

かっこよさとかっこ悪さ紙一重の、独特の形態に迫力が加わって、
センスの良さを感じました。
内部でも、場面場面のつくり方のうまさに関心させられました。

ハルニレ賞
□ 東川の家
一つ屋根のまとまったボリュームの中に、
空間の豊かさを見事につくりだしているように思えました。

★桶谷選出
アカシア賞
□ 伊達の援護寮
最初にこの作品の写真を見て第一印象が、夕日があたる姿が美しいとおもいました。
そして、室内の空間のつながり。
流れる用にいったいになってる空間は気持ちいいとおもいました。

フキノトウ賞
□ オジノイエ
外とのつながりは少ないのですが、
小さな窓と中の大きなFIX窓からこぼれる光がとても落ち着く空間を構成しているとおもいます。
外観、内観ともにボリュームはあるが落ち着いており、
とてもやさしい空間になっていると感じました。

ハルニレ賞
□ 白ルの家

自分の家から自分の家を見ることで
室内の色々な所で家族の存在を意識できる家、
とても安心できる空間だとおもいます。
中庭にある大きな開口部が、室内に光をとどけ、
まわりにあるマンションなどの環境を感じさせず、とてもよい空間だと感じました。


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