2005.11月の先週のハイライト

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05.11.04.

河村君にピンチヒッターをお願いして、ピンチを切り抜けようとしましたが、
ヤッパリ、1週間、穴をあけてしまいました。
《森の家》の完成引渡しと、札幌デザイナーズ・ウィークの対応で、てんてこ舞でした。

《森の家》は、何とか工期に間に合い、引越しも無事に終わりました。
交通量の多いバス通りに面している土地ですが、登り斜面で敷地が上がっているのと、
残っていた大きな5本の木を取り囲むように建物を建てたので、
家のどこにいても、本当に、森の中にいるような気がする家が出来ました。
出来るだけ、カタログから選んだり、大きな工場でつくった製品ではない物で、
家をつくろうと思い始めたのですが、やっと、要領が判りはじめ、《森の家》では、
大工さんや建具屋さんに、出来るだけ、現場で作ってもらいうようにしました。
その効果が、出来上がったときに、見る人に、柔らかな空気を感じて貰えるようです。
これは、設計のチカラだけでは、絶対、出来ない効果だと思います。
そして、この効果は、写真では伝わらないと思い、オープンハウスをお願いしたのです。

それでも、一応写真でUPしておきます。
←洗面カウンター
←トイレ手洗いカウンター
←キッチンカウンター

昨日から、デザイナーズ・ウィークが始まりました。
アルクムも、オープン・オフィスを企画して、昨日までは大掃除で大変でした。
散乱していたサンプルや書類を押しのけ、小屋裏で埃にまみれていた模型を引っ張り出し、
適当に並べ、今まで掲載された雑誌をテーブルに広げただけですが、
ちょっとした《アルクム・ワールド》が出来上がりました。
終わってから、年に一回の大掃除が出来ただけでも、良かったね、と話しましたが、
ふたを開けてみると、何人かのお客さんが来てくれて、とても嬉しくなりました。

ヤッパリ、待つだけではなく、アクションを起こしたほうが、気持ちいいものですね。
←お茶を飲みながら雑誌を眺めるお客さん。
ご訪問ありがとうございます。

 
←1/50模型郡
↑1/100模型郡
←事務所全景

★Open Officeの展示模型
オープンオフィスでは、以下のような模型が展示されています。
・1/100模型

計画の最初に建物のボリュームや敷地全体の検討に使います。

・1/50模型

建物のかたちが決まって、内部のイメージや窓の位置などを検討するのに使います。

・色付1/50模型

外壁や屋根、内部の素材や色を決めて、全体の色のバランスやイメージを検討するのに使います。


05.11.07.

←デザイナーズウィークのノボリと《森の家》

札幌デザイナーズウィークも終わり、《芸術の秋?》も一段落です。
先週の土曜日は、アルクム始まって以来のオープンハウスがあり、
スタッフ共々、寝れない日々が続きましたが、心配だった天気も、
予想外の好天に恵まれ、予想をはるかに超える70人の訪問があり
(特に、予想はしていなかったのですが・・・・・)、対応にオオワラワでした。
高校の同級生の夫妻がHPを見て来てくれたり、以前設計した家の方が、家族でいらして、
『うちも、こうしてくれたらいいのに』と言われ、恐縮したりしましたが、
とても和やかなオープンハウスになりました。

せっかく来ていただいたのに、ユックリお話しできずに失礼した方もいらっしゃいました。
それでも、大きな窓の前の5本の木が、穏やかな木漏れ日を落としてくれ、
訪れた方々に、『気持ちの良い時間と空間』を提供して、もてなしてくれたようで、
口々に、『ほんとに森の中にいるようですね』『懐かしいような家ですね』
『お菓子、美味しかったですよ』と言っていただき、『いい設計ですね』
と言う方は、一人もいませんでした・・・・・。

 
←オオワラワ!
↑リビングの吹抜
←デッキと既存樹木

快く『森の家』を開放してくださったMさん一家と、
たくさんの人を呼んでくれた『秋の好天』に、感謝・感謝です。
そして、忙しい時間を割いて来てくださった方々、本当にありがとうございました。
これからも、誠心誠意努力して、《いい家》を設計する所存です。
と言いたいところですが、今までどおり、ノンビリと設計出来たらいいな、と思います。


11月05日 『森の家 OPEN HOUSE』 <桶谷>

この日は、アルクム始まって以来の『OPEN HOUSE』を行いました。AM9:30現地に集合し、Mさんはもう引越を終えているので、すこし片付ける事から始まりました。午前中はわりとお客さんもすくなく、のんびりとしていたら、お昼休みをこえると、大盛況!ものすごく人が来ました。一般の方、アルクムのお客さん、建築家の方、建築関係の方、色々な人が来ました。アルクム所員3名+お手伝いのRさん、ではテンテコマイ。で、時間を気にしてる暇もなく、接客でした。
色々な人に、色々な質問等をされると、まだまだ勉強不足な面が多々でてしまいました。しかし、その反面自分の成長も少し感じる事が出来て、これからの自分にとっての、収穫になったと思います。 PM17:30頃最後のお客さんも見学を終え、終わってみたら、総勢70名の方々に来て頂きました。
『森の家』のMさん、わざわざ来て頂いた方々本当にありがとうございました。

『OPEN HOUSE』が終わった『森の家』も沢山の人に来て頂いて、ほっと一息という感じでした。お疲れ様でした。
←ほっと一息の《森の家》


05.11.18.

先週のこのコーナーで、『芸術の秋も終わり』と言いましたが、
芸術は、まだまだ続きました。
8日の火曜日には、六花亭・真駒内店でミニ・コンサートがありました。
この建物の設計をしたのが、早稲田の同期の古市君という、怪物です。
どんな怪物かと言うと、丹下健三という世界的な建築家の事務所に入り、
世界中の建築の設計・監理に携わり、独立した後も世界を駆け巡り、
なんと、90カ国を訪れている《ツワモノ》です。

そんな彼と、建築の目利きで有名な六花亭の小田社長がガップリ組んで出来上がったのが、
この《六花亭・真駒内店》なのです。
《コンサートの出来るお菓子屋さん》ではなく
《コンサートホールでやっているお菓子屋さん》というのがコンセプトだそうです。
良く判りませんが、とにかく凄い建物が出来上がり、色々な賞に輝いたのですが、
今回、建築学会の《作品選奨》にノミネートされ、現地審査を受けることになり、
その審査員に実際の音を聞いてもらう為の《ミニ・コンサート》なんだそうです。

ですから、一般の人に声を掛けるわけにも行かず、かといって、
少人数だと、音も雰囲気も悪いので、何とか人を集めて欲しいと頼まれました。
2日間しかない中で、公私の情報網で、40人ほど来てもらい、
他のルートと合わせ、80人くらい集まり、なんとか、コンサートの雰囲気になりました。

札響の弦楽四重奏の奏者も、『ほんとの内輪のコンサート』と言われていたようで、
『なんか違うなー?』という感じで演奏していましたが、
終わってからのアンコールまであり、『?????』という顔でしたが、嬉しそうでした。

設計の時から、雪や寒さなどで色々相談に乗り、完成した時にも見せてもらったのですが、
実際の演奏を聞くのは初めてだったのです。

《音の深み・奥行き》は大きさのせいもあり、少し物足りませんでしたが、
《柔らかい共鳴》は、さすがに、『世界の古市君』の貫禄がありました。

急遽、集まってくれた方々も喜んでくれ、会場のセットの手伝いに来た学生たちも、
課題の徹夜明けにもかかわらず、居眠りもしないで聞いてくれ、感激していました。
予定にはありませんでしたが、古市君が建物の説明をしてくれ、お開きになりました。
←六花亭真駒内店外観
←コンサートホールでやってるお菓子屋さん
←写真中央で手を上げているのが古市君

11日の金曜日には、小樽出身の建築家・出版家?の斉藤裕氏の出版記念講演会が、
大先輩の上遠野氏の事務所でありました。
《ルイス・バラガン》《カルロ・スカルパ》《ルイス・カーン》に続く第4弾、
アルヴァー・アアルトの設計した《ヴィラ・マイレア》という美しい本が出たのです。
今回は、一軒の家で一冊の本を作る、という、大胆な企画でした。
完成した本には載せていない写真だけで講演をしてくれ、本には書いていないことも話し、
本当に為になる、楽しい時間が過ごせました。
単に綺麗な写真ではなく、『自分だったら、こう創る』という気迫がこもっていました。
←今回出版の本

アアルトのよき理解者の上遠野先生から、
『ああいうやり方があったのか』
『やっぱり、シンプルな収まりが一番です』
『若い人も、明日からの設計に応用するように!』
などと、心温まるエールをおくられ、とてもいい集まりでした。
 
そのあと、10人ほどで豊島さんの新しいビルの最上階に場所を変え、
更に具体的な《北国の建築》のアドバイス(内緒!?)があり、
久しぶりの建築談義に花を咲かせました。
気が付けば、夜中の2時を過ぎていました。
古市君とも2時過ぎまで飲んでいましたが、建築家は本当にタフですね。

札幌にも初雪が降り、秋は終わったようですが、芸術に終わりは無いようです。


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