2006.6月の先週のハイライト

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06.06.03.

JIA・校友会・町内会と続いた社会的活動が終わるや否や、
こんどは、個人的活動(?)に追われました。
『美味しいもの、食べに行くわヨー』と、母と妹が東京からやってきました。
2泊3日をフルに使って、『今日はココ、明日はアソコ』と、
元気良く食べまくって帰りました。

着いてすぐに、千歳空港で、『この間は札幌ラーメンだったから、今日は、
函館の塩ラーメンにしましょう』で、スタートしました。
支笏湖を廻って札幌に入り、夜は、長男の彼女を紹介がてらに、
藻岩山の夜景を見ながら、食事をしました。
『ココ、行ったことある?』と、妹に聞かれ、下調べに行ったのですが、
もの凄くきれいな夜景に、その場で予約したレストランです。
展望台はずいぶん前に行ったことはありましたが、ココは絶対穴場です。


2日目の午前中は、二人で円山公園を散歩して体調を整え、
午後に、西野の家にきて、愛犬《菊次丸》と対面しました。
動物の苦手な母は、気持ちは引いていましたが、
写真撮影の時はナントかコラエて、いい写真が撮れました。
犬好きの妹は、それこそ、もう、ベタベタでした。

対面も無事終わり、奥さんと3人、JRで一足先に小樽へ向かいました。
子供達の学校が終わるのを待って、後発の4人と小樽で合流しました。
小樽は、久しぶり、25年以上前に行った《一心太助》に行きました。
ココも東京組の御指定です。
何人かの小樽の人に、
『一心太助は、まだやってる?』『最近行ったことある?』と聞いても、
情報は集まりませんでしたが、ネットで確認して予約しました。
以前と同じ場所で、同じ雰囲気で、同じメニューでやっていました。
味も値段も同じには、かなりビックリしました。
お酒は余り飲みませんでしたが、一人2000円で済みました。
父さんと母さんは、やっぱり、歳をとっていたのは、仕方ありませんよネ。
全員、大満足した後、天狗山に登って夜景を見に行きました。
札幌の『華やかな都会の夜景』とは違い『シミジミとした港の夜景』でした。


最終日の昼食は、母のオゴリで《ミクニ・サッポロ》のランチを食べました。
予約をしてから、腹ごなしにタワーの展望台に行き札幌の街を見下ろしました。
あいにく、霧がかかりはじめ、海や山は見ることが出来ませんでしたが、
《霧の街・札幌》の幻想的な風景は、昨日までの夜景には無い、美しさでした。
35階から9階に降りて、身近に札幌の街を見ながらのランチは、
『とても、美味しゅう、御座いました』(古いですね!)
昨日の、《素材ソノママの美味しさ》とは違い、
《色々な素材を、豊かなイマジネーションと
繊細で力強いテクニックで熔変させた美味しさ》です。
味や美しさだけではなく、そのエネルギーに感動しました。


東京組はJRに乗って、帰って行きましたが、目的は果たしたと思います。
やっと帰ったと思ったら、今度は、東京の大学に行っている次男坊が、
『春のリーグが終わった』と言って、入れ替わりに戻って来ました。
4日間いましたが、疲れたので、これで終わりにします。


06.06.09

『親の小言と冷酒は、後になって効いてくる』といいますが、
5月26日にJIA北海道支部の総会で、
彫刻家の安田侃氏が基調講演をしてくれたのですが、
その時は、《フムフム、ナルホド、ナルホド》と聞いていたのですが、
だんだんと、《ソウカ、ソウダヨナ》となり、
今になって、《ウーム》と変って来たので、この場を借りて、
その《ウーム》を書き留めておくことにします。

話の内容は、侃さんがイタリアに行って、だんだんと認められ、
やがて、《世界の安田侃》になって行くという、サクセスストーリーです。
自分でも言っていましたが、
『30年以上イタリアに住んでいると
自分で自分を褒めていないと自分がいなくなってしまう』そうですが、
でも、侃さんの話を聞いていると、全然そんな自慢話に聞こえず、
ホッコリとした《いもバター》のシンプルなおいしさを感じてしまうのです
(自分でも変な表現だと思います)。

1990年のミラノのガレリアで行われた彫刻展に招待されたのをキッカケに、
1991年にミラノの街を美術館に見立てた彫刻展を成功させ、
1995年にピエトラサンタ・2000年にフィレンツェ・2005年にアッシジと進み、
2007年には、ついにローマの遺跡と対峙する彫刻展の開催に漕ぎ付けました。
《全ての路はローマに続く》とは云いますが、
その路はキット、苦難の連続だったと思いますが、
その《苦難の連続》も、侃さんの言葉で語られると、
素晴らしい人々との《出会いの連続》に聞こえてしまうのです。

話に引き込まれるというのは、あんな状態を云うのでしょう。

話は次から次へと進み、予定の時間はとうに過ぎているのに、
誰一人無駄口をきかず、話し終わると、不思議な静寂が残りました。

最後に、《物を創る》ということを通して、彫刻と建築を並べてくれましたが、
『身を削りながら創られた彫刻が、時代を超えて残るのです』と結んだ言葉が、
始めに言った、『親の小言と冷酒は、・・・・・』に戻るのです。

フー、と一息。

安田侃氏のHP

さて、今週は、久しぶりに河村君と桶谷君に登場してもらい、
先月やった『お花見スライド会』の感想(?)を聞くことにしました。


◎アルクムスライド会
●河村write
5/23(火)にちょっと遅めの花見も兼ねて、
スライド会をアルクムで久しぶりにおこないました。
外の桜の花はもうすでに終わってしまったこともあって、
今回のスライドは、オランダ「キーヘンホフ公園」の花のスライドから始めて、
アメリカの建築を鑑賞しました。

アメリカのスライドは、所長が、96年に行ってきたもので、
ライトやカーン、ベンチューリ、ミースなど
巨匠達の建築をたくさん見させてもらいました。

雑誌や本で見る写真と違って、身近なヒトが撮った絵は、
その人の見たものが伝わりやすく(解説付きというのもありますが)
臨場感が感じられて、おなかいっぱいになりました。

中でも特に印象に残ったのは、
カーンのエシュリック邸、
四角四角の空間と内から外からの窓が凛として厳粛で、
周りの緑が際立つというか、建物が際立つというか・・・。
この建物では、ダラダラ生活することは、難しそうです。
←エシュリック邸外観
←エシュリック邸寝室

もう一つはライトの有機カッコいい建物たち。
ロビー邸など水平にピャーっと伸びる屋根は、
図面を描いているときも気持ちよさそうで、
低く抑えられた天井も、よく言われているように、
圧迫感無く自然と目線が外に行く様が感じられました。
住宅以外の大きい建物の
ジョンソンワックスのオフィスやグッケンハイム美術館も、
惚れ惚れするようなかっこ良い空間がとても刺激的でした。
←ロビー邸
←ジョンソンワックスオフィス

巨匠達のパワーに圧倒されたスライド会でした。

●桶谷write
勉強になった事は多々ありましたが、僕が思ったのは、
建築を見る目の大切さ。ライトの横目地だけ残して、
縦目地をなくするタイルの張り方(ライトの考える水平空間の広がり)、
ミース・ファンデル・ローエのファンズワース邸の柱を美しく見せる工夫、
ルイス・カーンのキンベル美術館のつながり部にあるトップライトから入る光の美しさ、
など百人百色の考え方があるはずです。
←ライトのタイル
←ミースの柱
←キンベル美術館のトップライト
建築を見る時はその裏側(それを考える時にどうしてそう考えたのか)等を
みれなければならないと思います。(宮脇壇さんが言っていた言葉ですが…)
それは前々から思ってはいたのですが、
中々難しくまだ身についていない事の一つです。
もっと沢山の物を見て、そんな力を養って行きたいです。


06.06.15

このところ、仕事のお話をしていませんでしたが、
今年のファームトミタの仕事が完成しました。
←工事途中

4・5年まえからラベンダーオイル抽出用のラベンダーを、
近隣で増殖し始めていたのですが、
収穫する人手が無かったので、
3年前にフランスの農機具工場に収穫機の製造を頼んでいたそうですが、
昨年の春にヤット到着して、こちらで改造しながら試験的に収穫し、
ナントか使える見込みが着いたので、
今年は、蒸留工場を増築して、
ラベンダーオイルを増産することが可能になりました。
←内部
←トップライト
昨年までは大きな蒸留釜が1台しかありませんでしたが、
今年は2台増設して3台体制になったのです。
これでやっと、お土産品以外の需要にも、
ある程度、供給できる見通しが付きました。
嬉しいことです。

私も、傷や火傷の治療だけでなく、
日常的な肌の保護にラベンダーオイルを使っていますが、
つけた時は、少し匂いがきつく感じますが、
時間が経つと柔らかな草の香りに変化して、
肌だけではなく、心も癒されるような気がします。

建物としては、昨年の『山の舎』のように、派手にアッピールはしませんが、
実質的な効果は、今年の建物の方が上かもしれません。

これからが花のシーズンですので、一度行ってみて、
建物が必要以上に突出していないか、チェックしてください。

工場が稼動してオイルの生産が始まるのは7月に入ってからだと思います。
ちなみに、その時に出る蒸留水は、我が家の『元気の素』です。

今月の末には、ニセコのFさんのギャラリーにアトリエが完成する予定なので、
そちらも、完成したら報告します。


06.06.27.

先週は、半年ぶりで東京に行ってきました。
早稲田大学建築学科のOB会の理事と
全国の支部長の会議がありました。
学部長をはじめ大学の先生と企業で
活躍している先輩方が50人程、狭い会議室に集まり、
大学の実情と今後の課題について、熱心に協議しました。

初めての参加なので(飛行機の遅れで30分遅刻したのもあり)、
ドキドキしているところに、
『それでは、地方の活動を、まずは北海道のほうから』と言われ、
頭は更にカッカとしてしまいましたが、汗だくになりながらも、
ナントか報告を終え、東北支部以下の報告を聞きながら、
あたりを見渡すと、知っている顔が、だんだん見えてきました。

60人の校友会の理事に同期(花の?48年組)が、
7人もいるではありませんか。
ナーンだ、と思って他の支部の報告を聞いていると、
近畿支部と九州支部が頑張っているくらいで、
北海道支部は三番手くらいに位置しているような気がしてきました。
会員数は下から数えて三番目ですが。

大きい議題は、
@学生の出身地の偏り(2/3が東京周辺:因みに30年前は反対)と
A沖縄の支部独立(現在は九州支部に属す)の2点でした。

@は、受験体制の影響が大きいとのこと、
対策として創成入学(OAいわゆる推薦入学)の強化。
これを全国の支部長に働きかけ、人材の発掘を図る。
Aは、沖縄の会員からの依頼を促すようにする、
対策として電話・メールではなく、先生が講演会などを開いて、
直接話をする場を持つ。

ということで同意する。

東京が地方に出てこない限り、
問題が見えず、解決しないことばかりだと思う。

会議の後の教室での懇親会で、
東北支部長と合同会の約束をしたり、
知っている先生(同期の二人も含めて)に北海道に来る時には、
必ず連絡してもらい、
ミニ講演会をして足代を稼ぐお願いを取り付けました。
二次会は4人で焼き鳥を食べながら、
建築の行く末を熱く(?)語り合いました。


もう一つの用事は、日本画家・後藤純男先生の受勲のお祝いでした。
とても偉い先生なので、とても偉い人ばかり集まるので、
上富良野の応援団に声を掛け、なんとか8人参加することになりました。

会場が、芝のプリンスホテルだったので、
久しぶりに東京タワーを身近に眺め、
その、余りの美しさに、写真を撮りまくりました。

初めてエッフェル塔を見た時に
『東京タワーとくらべ、なんて美しいのだろう』
と思った私は一体、何処に行ってしまったのかな?
(多分、色に惑わされていた)

会場には既に、
沢山の参加者(聞く所によると、500人程)が集まっていましたが、
北海道組の結束は固く、アイスコーヒーを飲みながら作戦会議。

先生のそばは人が多そうだから、離れたところに陣取り、
出来れば、ドリンクコーナーの近くがベストであろう、
との結論に至り、即、実行に移しました。

雰囲気は写真から想像していただき、
とにかく、バレーのコートが三つくらい取れそうな会場に、
先生の《桜花浄苑雙図》の本画をステージのバックに配し、
その横には、絶世の美女軍団のクァルテットがモーツァルトを奏で、
それはそれは、厳かな中にも華やかさのある雰囲気でしたが、
我が北海道軍団は、その圧倒的な雰囲気にもめげず、
世界の三大珍味を探し、会場を駆け回りました。



合言葉は《フラノで食べられるものは口にするな》です。
Ex.じゃがいも・とうきび・アスパラ・フキやゼンマイetc.
何処かの町長さんや参議院議長さんの
有難いお話も拝聴しながら頑張りました。
そうそう、あの有名な96歳の
日野原先生(聖路加病院の現役理事長)が、
76歳の後藤先生を心から激励するお話のときには、
全員、口を休めて聞き入りました。
それほど、日野原先生は魅力的で、愛される存在でした。
図々しくも、記念撮影を一緒にして貰いました。長寿のお守りにします。


間の22日(木)は、自由行動日だったので、
父の墓参りと参拝すると気持ちが清々しくなる寒川神社をハシゴしました。
無神経な日本人ですね!


その合間に、知人の建築家・小野正弘の作品展を覗き、
ついでに芦原義信設計の駒沢公園のオリンピック施設を見ましたが、
さすがに40年の月日で傷みは相当進んでいましたが、
塔だけはナカナカのプロポーションですっくと立っていました。

今回始めて、塔の軸線が中心からずれていることに気が付き、
寺院の伽藍配置を意識していることが判りました。
何度も来て見るものです。

小野さんの個展は、小野さんらしい《几帳面さとウイット》が交じり合って、
楽しんで設計している雰囲気が出ていました。
それにしても、70歳すぎてもこのエネルギー、恐れ入ります。



あとは、次男坊と会ったり、下町を徘徊したりして時を過ごしました。
梅雨時の東京でしたが、雨にも当らずに過ごせ、ラッキーでした。



24日(土)に札幌に帰ったら、
何故か、東京タワーの1年先輩(1957年完成)の札幌のテレビ塔が、
心なしか美しく見えたのも不思議です。(夜景のせいかな?)


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