2006.12月の先週のハイライト

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06.11.27.

先週の土曜日にニセコに用事があったので、
今年設計した2軒の家の様子を見て来ました。
両方とも週末住宅ですが、8月に完成してから、
週末に用事がなければ、ほぼ使用されているとのこと、嬉しい事です。

Hさんの家には、念願の炉鍵が付き、正月に向けて、
初釜(?)の準備が進んでいます。

↑左:囲炉裏スペース、右:外観

Kさんの家では、ペレットストーブの『ロボット君』が、
穏やかな温かさを供給して、家族の一員になっていました。
ウインターシーズンも、このペースで使ってもらえれば、
オール電化の効果が発揮でき、来春の点検時も、
キットいい状態が予想されそうです。

↑左:ペレットストーブ、右:浴室から眺める羊蹄山

さて、ニセコの用事ですが、
20年前に設計したログキャビンの《ニセコIクリニック》が、
持ち主が変わり、レストランにコンバージョンし、
そのオープニングパーティーに招かれたのです。

キャビンを購入した時に設計者を捜したらしいのですが、
判らなかったので、それっきりになっていたそうですが、
偶然にも改修を任された会社の方が、
アルクムのHPを見て、声を掛けてくれたのです。

新しいオーナー(香港に住んでいるオーストラリア人)に紹介され、
『キャビンの模型も大事にとってあります。とても素晴らしい模型です』
といわれ、感激しました。
招かれた客の半数くらいが外国人、という変ったパーティーでしたが、
今のヒラフスキー場を反映しているのかもしれません。
←パーティー開始挨拶時

リゾートに対する外国人の評価が、少し判ったように感じました。
集中した投資が、バブルの時のように泡のように儚く消えてしまうのではなく、
しっかりと根付いたリゾートに移り変わればいいと思います。



06.12.11.

先週の土曜日に、旭川のIさんの打合せのあとに、
東海大で行われている《グンナー・アスプルンド展》に、
桶谷君と行ってきました。
既に、東京と京都で開催されていましたが、行くことができませんでした。

この日は、写真家の吉村行雄氏と福井工業大学の川島洋一氏の講演会もあり、
楽しみにしていました。札幌の友人も何人か来ていました。



グンナー・アスプルンドという建築家は、日本ではあまり知られていませんが、
スゥエーデンの近代建築の父と言われていますが、
それよりも、『森の墓地』が、近代建築としては

初めて《世界遺産》に指定された事で一躍有名になりました。
ほとんどデヴューしたての頃に、設計コンペで入選した墓地の建築に、
死ぬ間際まで、25年間関係した作品は、
文字通り、彼のライフワークになりました。


吉村氏の写真に写る、澄み切った空気を見ていると、
この名建築を、北海道にソノママ持ってきたくなるような思いに駆られました。
展覧会場になった東海大学の研究棟のギャラリーは、
センターホールを囲んで、レベル差をつけながら、
程よいスケールの小部屋が並んでいるのです。

そのギャラリーを上手に使い展示され、アスプルンドのヒューマンで、
尚且つ厳粛な雰囲気を伝えていました。
負け惜しみではなく、東京・京都の展覧会よりも(見には行けませんでしたが)、
数段、素晴らしい展覧会になったように思います。
休憩の合間に見た、キャンパスの深いブルーに包まれた夕景は、
まさに《北欧》そのものでした
(コレも残念なことに、まだ、行ったことはないのですが・・・・・)。
素晴らしい模型や写真を見ながら、両氏の話を聞くほどに、
実際に見て、触れながら、その空気を吸わなければ、
アスプルンド建築の本当の良さは判らない、と思いました。

それにしても、こんな素晴らしい展覧会を企画・実行してくれた
東海大学・旭川校の大矢・大野・両先生には、感謝・感謝です。
それと、こんな素晴らしい展覧会を、
自分達で展示協力できた学生が羨ましくもあります。


06.12.20.

年の瀬も迫り、今年も後2週です(実質は1週間?)。
そんな忙しい中、アルクム関連の雑誌が2冊、
同時に出来上がりました。

1冊目は『リプラン:冬・春号』で、
今年ハルニレ賞を受賞した『森の家』が掲載されています。
やはり、素人写真では出せない雰囲気が伝わってきます。
比較的小さい家(アプローチの地下を除けば30坪位)ですが、
写真がたくさん載っているせいか、
大きな家のように見えてしまいます。
そこがチョット抵抗あるところですが、
実際、狭さは感じないので、
写真の方が正直なのでしょうか。
完成してから1年も経っていないのに
『ずうっと、ここに建っている』ような気配を感じるのは、
大成功といって良いでしょう。

さて、2冊目は『建築家カタログVol.3』です。
今回は編集長としてではなく、出版委員長として、
支部との調整係りという立場で係りました。
Vol.1は編集に2年かかり、Vol.2は1年で出来、
Vol.3は、ナント、6ヵ月で完成しました。
次は、3ヶ月かな・・・? 
でも、見て楽しく、為になる内容を心掛け、
写真を多くしたので、全体的に明るく感じると思います。
参加者も慣れてきたようで、伸びやかな紙面が並んでいます。
アルクムのページも、ランダムにならべてイメージを伝える、
今までの方法をやめ、2軒の住宅を紹介するようにしたので、
判りやすくなったと思います。
2軒の住宅の違いと、共通する何かを、
感じ取ってもらえれば有難いのですが・・・。
まあ、両方とも、もう少しで書店に置かれる筈なので、
手にとって御覧下さい。



15(金)に、JIA住宅部会の忘年会があり、
『ハルニレ賞』のレクチャーをしました。
30人位の小じんまりとした集まりでしたが、
なにせ、建築家の30人ですから、
口うるさいこと、このうえありません。
写真の撮り方・窓の開け方・材料や色の使い方・
照明器具の選定など、ツッコミには事欠きません。
今回は、ポルトガルの建築家:アルバロ・シザとモロッコを紹介しながら、
最近のアルクムの作品の傾向を話しましたが、
イスラム教の捕らえ方に差があり、
危うく、宗教論争になるところでした(笑)。


↑ポルトガル〜リスボンの街並

↑サンティアゴ・デ・コンポステラの大聖堂

↑ガリシア現代美術センター〔アルバロ・シザ〕

↑モロッコの街並み

↑染色工場

今年の会場は、南10条西9丁目にある旧鎌田質店という、
仲間の建築家がやっているギャラリーを併設した喫茶店を借りたので、
作品紹介の展示もさせて貰いました。
古い建物を再利用する事でしか出来ない雰囲気を、
充分に利用した喫茶店です。
興味ある方は、ぜひ、訪れてみてください。


桶谷記

久しぶりの登場です。
12月13日、アルクムに写真家の並木氏を招き、
スライド会を行いました。
内容は安田侃の彫刻写真を見ながら、
写真家ロバート・メイプルソープ・村井修から学んだ事、
スランプに落ちた時の話しなど、熱っぽく話してくれました。
並木氏は彫刻だけではなく、
建築の写真も撮影している方なのですが、
光や影を待ちその場所に一番ベストなタイミングで,
写真を撮影するという仕事は、設計での、
この時間・その場に、光や影ができて、
そこの部屋がそのように見えるという作業に共通する事のように思えます。
(僕は、あまり写真のことは詳しくないのですが)
建築家と写真は切り離せない存在だと思うので,
もっと勉強(練習?)したいと思いました。


アルクムのスライドは所長が昔行ったスペインとモロッコ
そして、「森の家」・「東神楽の家」・「蘭越の家」でした。
スペインの色々な軸線が交わった街並、
モロッコの宗教の巡礼地に向かう軸、
森の家は、街に向かう軸、蘭越の家は羊蹄山に向かう軸等、
いくつかの軸線を手がかりに設計をしています。
その結果、建物の内外に色々な角度が出てきて、
不思議なスケール・懐かしいシーンが出来る事を学びました。
スライド会に来ていた4人の学生さん達もとても関心していたようで、
建築家になるなら、これから良い建築を沢山見て勉強してほしいと思います。

僕は海外は中国しか行ったことがないので、
色々な国と建築をもっと沢山知って、
近い将来色々旅が出来たらと思います。
その日はスライドとお酒にほろ酔いで、
気持ちよく家路につきました。


06.12.27

先週でやっと、忘年会の波が過ぎ去りましたが、その波間をかわすように、
未公開のプロジェクトが終了しました。

恵庭の島松で計画していた《管理釣場》の管理棟が完成して、
引渡しが終わりました。
《管理釣場》というのは、聞きなれない施設だと思いますが、
北米の自然環境を保全する為に、
釣場を管理するルールが作られたのが起こりだったようですが、
日本ではルアーやフライ専用の釣堀を呼ぶ名前として定着し、
今や、全国的に普及し始めているそうです。
釣のメッカである北海道でも、近年、出来始めているようです。

北海道はまだまだ日が浅く、
昔ながらの釣堀のような施設が多いようですが、
魚に関しては生きが良く、ヒットした時の感触は、
内地の魚では味わえない醍醐味が味わえるそうで、
わざわざ飛行機に乗って《管理釣場》に来るそうです。
今回の施設は、
『魚の環境だけではなく、人間の環境も、
北海道の素晴らしさを満喫してもらえるように』
というコンセプトのもとに、企画されました。

敷地選びに丸1年掛け、
島松川に沿った12.2町歩(3.7万坪)という広大な敷地が選ばれました。
敷地の大きさでは他の設計事務所を寄せ付けなかったアルクムですが、
さすがに最大の大きさです。
(ちなみに、これまでの最大は、美幌のS研修所の1.2万坪でした。)
敷地の端から端まで600Mもあり、
ナント歩いて10分掛もかるのです(だいぶ、実感が湧きましたか?)。

この辺りは、縄文人の居住地区で、遺跡調査が義務付けられているのですが、
川と林と湧き水があり、なんとなく住みたくなるような雰囲気が感じられ、
いつ行っても、心が安らぐような力を持っているようです。

最初に敷地を行った時に見つけた2本の椴松を《シンボルツリー》と名付け、
それをランドマークにアプローチ・駐車場・建物を配置しました。
こんな広い敷地で迷わずに配置が決まったのも、この2本の椴松のおかげです。

建物は、《管理釣場》発祥の地である
カナダのカントリースタイルを意識してデザインしました。
デッキと庇をのばして暗い場所をつくり、高窓から南の光を入れ、
背後の白壁を明るくして、南に広がる池が綺麗に見える工夫をしました。
カラ松林とトド松林を背景にした建物は、まるで、外国のようです(陳腐ですが)。
池から見る建物も、風景に融けこみ、まるで、絵葉書のようです(コレもまた)。

↑写真左:池越しの管理棟、右:管理棟

内部は、いつもの構造と仕上げですが、
住宅よりもふたまわり程大きいので、かなりユッタリと感じます。
事務室との仕切りにつけた暖炉が、空間を引き締めています。
まだ、家具が入っていないのでガランドウですが、
家具が入るとまた違って見える事でしょう。
来年の春の営業開始に向けてラストスパートです。
釣に興味のある方は、ぜひ、ご利用ください。
釣をしない方も、お茶と簡単な食事くらいは出来ますので、
気持ちの良い時間と空間を楽しみに来てください。
開業の案内が出来たら、改めてお知らせします。
 
↑写真左:暖炉、右:左奥に厨房・右奥がカフェスペース

管理釣場「10pound」のHPです↓
http://homepage2.nifty.com/10pound/


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