●東神楽N邸


傾斜のある林(もしくは森といったほうが近いイメージ)の200坪程度の土地
を希望とのこと。
夫婦二人とも土いじりが好きで、ハーブや野菜を育てながら、
森の中のような場所に住まい、将来的には自分達でお店を開きたい!
ということで、敷地探しから始まりました。

最初のうちは、通勤に便利なところということで、
旭川市内の旭岡、春光台、高砂台などを検討していましたが、
田舎に暮らしたいというイメージに合わないことや、
土地と建物の費用バランスがとれなさそうなので、
よりイメージに近い土地を求めて、
旭川郊外15kmくらい(通勤時間を考慮)でさがすことになりました。

そんな中、土地捜しに協力のお願いをしていた
旭川の施工会社K田組から、
こんな土地はどうでしょう?と情報が入りました。
 
東川町の農家をしていた敷地で
母屋と倉庫、コンテナ、車庫、地区会館、大きな樹木があり
雰囲気も悪くなかったのですが、
すぐ向かいに新築の家が建ち、山の見える遠景が遮られていること
廃棄物、解体が多い、地区会館の対応の問題、土地の持ち主は
できれば農地も含めて売りたいと考えているなどの条件がきびしく
現実的ではないと判断しました。

次の敷地は、東川の奥のほうの敷地で、
実際に売り地と看板が出ている土地でした。

この土地は植樹された土地で
ゆるくカーブした道路の内側の少し小高くなったところ。
間伐をしながら計画をすると
これもなかなか魅力的な敷地だったのですが、
ちょっと旭川から距離があることで断念。

こんな風に土地をさがしていることは、
Nさん夫婦にとって貴重な時間になりました。
自分達の思い描いていたイメージが
その敷地に当てはめて考えることで、そのたびごとに
より具体的になり、現実的な目標としてかたちが見えてくるのです。

そして、理想の敷地が出てきました!
 
東神楽の空港に近い起伏のある土地で、
母屋と納屋、裏山のような斜面に樹木が多く植生し、
最初の理想条件を満たす場所です。
敷地の中に入ると、今までここで暮らしていたエネルギーが
雰囲気良く残っていました。
この土地にN夫婦の未来を計画していく作業が始まりました。


05.12.24.

12/24が引渡しとなりました。
年末に引越しをして、新しい年を迎えることになります。
テーブルやベッドなどは、取りあえずは住んでみてから、
どうつくるのか検討することになりました。

完成画像→東神楽N邸2005


05.11.24.

現場は、木製サッシの取付も終了し、
外壁の板張りをしているところです。
 
内部は、水廻りなどのタイルサンプルを用意したり、
造り付けの棚などスケッチを描いて、
Nさんと雰囲気を確認しながら決めているところです。
と同時にNさんたちは、内部の床、天井の板の塗装作業中!


05.10.19.

上棟式が終了し、
工事は、現在屋根工事中、
アスファルトルーフィングまで張りあがりました。
外壁も下地の構造用合板が張り終えてます。


←池に映る建物

←上棟式の乾杯!の瞬間


05.10.20.

家の位置・大きさが決まったので、最初の構想にあった、池のことを話し合いました。
現状の水溜りや草の生え方を見ながらつくれば、きっと自然な形、大きさになるのでは、、、。
というアドバイスをして、実際には、現地でNさんたちと京田組のTさんが形と大きさと深さを決めました。

そうやってできた池は水を溜めると、前からそこにあった様に風景に馴染んでいました。
《ビオトープ》ってこういうことなんだ、
と、蘭越のIさんの時に考えていた頭の中の《ビオトープ》を懐かしく思いました。
←位置・大きさ決め

←池に水が入りました

来年の五月には、きっと、水仙の白い花が咲くことでしょう。


05.09.16.

現場は、基礎工事が終了し、
地下水のポンプ設置工事や浄化槽工事がおこなわれ、
終了しています。

もうすぐ大工さんが'どば'作業(材料の寸法取)を終えて現場に入ります。

色付き模型で外壁や内部の色の打合せをしました。↓
 


05.08.22.

工事は、基礎コンクリート打設まで進んでいます。
養生後、建て方に入ります。
←根堀

←配筋状況

←布基礎打設


05.08.10

いよいよ着工しました。
←地鎮祭の様子

これからは、雰囲気や形、大きさを現場で確認しながら、
色や素材、造り付け家具などの詳細等を決めていくことになります。

 
↑遣り方


05.05.31

土間をなくし、小上がり(板敷)をなくし、
やっとNさんの家のライフスタイルが見えてきました。

難問だった《物見台》の構造と階段のかけ方も、
矩計図をかき、おさまりました。

最初からの念願通り、この計画は、
手描き図面でやることに決定しました。
桶谷君初挑戦です。

今後は、
展開図(各部屋の壁面を見たときの図面)や
伏図(構造、部材の図面)等を描き進めて、
使い方を含めた、仕上げや細部などを打合せしていく予定です。


05.04.16.

初めは、何人かでキッチンに立っても使いやすいものをと、
二方向から出入りできてるようにしていたのですが、
カウンターの位置や、上がり座敷との関係を考慮して、
台所のキッチンとカウンターの向きを、
玄関の斜めの向きに対応させたプランを提案しました。
このプランの方が、一間巾の廊下のように余スペースになっていた部分も
広間と一体になり、使い方も明快になるのです。

↑初めのプラン上がり座敷があり、台所へは二箇所から入れる


↑変更後のプラン上がり座敷をなくし、台所とカウンターの向きを変更

上がり座敷も当面は、弟子屈のMさんの家の様に、
フラットな広間として使ってみて、
いろいろ考えながら生活して、
自分たちで施工するのも楽しいのでは?
というような、住みながら成長する家が、
Nさんたちの家らしさにつながっていきます。


↑ゲートポーチから玄関ブースを見る
 
↑寝室より展望室を見上げる       ↑吹抜より1、2階を見る

↑展望室から十勝岳を見る


2005.03.

札幌の用事で来たついでに、北24条のSさんの家(12/18)や、
常盤のKさんの家(3/12)を、見てもらいました。
Sさんの家では、中庭を眺めながら入浴できるハーフユニットバスを、
Kさんの家では、居間の吹抜けとファミリールームの空間のつながりを、
それから、床、壁などの素材の雰囲気を感じてもらうのが目的です。
住む人それぞれのライフスタイルがあるので、
『この家のこれを!』というのではなく、
『Nさんたちの家では?』という、きっかけになればと思っています。

打合せを重ねるたびに、イメージが具体的になってきます。
最初は二階に浴室を配置していたのですが、日常的にはシャワーを使い、
休日や時間のあるときに、ゆっくりバスタブに浸かってリラックスする、
という話になり、寝室のそばにシャワーブースを置き、
一階に、ユッタリとしたバスルームを作ることにしました。
そこで、シャワーブースを探し始めたのですが、国産のメーカーには無く、
美しい、外国のカタログを見ながら、夢を膨らましているところです。
←ユーティリティーと浴室のイメージ


↑二階寝室とシャワーブースのイメージスケッチ

そういう意味でも、西洋のライフスタイルの浸透は、メーカーのノウハウを
通り越して進んでいると、実感しました。

玄関ブースから入ったところを、始めから《土間》として計画していましたが、
だんだん《土間》の必然性が、お互いに感じられなくなってきました。
話し合っているうちに、
『きっとこれは、弟子屈のMさんと蘭越のIさんの家の名残だね』ということになりました。

↑玄関と板の間のイメージスケッチ

それで、床材をすべてフローリングにしたら、《小上がり》も不自然に見え、
同じ面積なのに、Nさん達らしい、とてもユッタリした生活が見えてきたのです。

『やっと、Nさん方の家になってきましたね』というと、
『本当に、肩の荷が下りたようにスッキリしました』と笑っていました。

今後は、模型と図面で確認しながら、
素材や色などを決めていきます。


04.12.21.

『2〜3年かけて移住したい』と言っていましたが、
敷地が決まり、毎週のように通っているうちに、
そこにいる時間の大切さを感じ始め、計画だけは、進めることになりました。
こちらも、ノンビリ計画しようと思ってやり始めたのですが、
トトロの森(内輪の呼び名)の魅力に引かれて、アレヨ、アレヨという間に、
猫バスにそっくりな家ができてしまいました(勿論、偶然です)。
こうなると、両者とも、時間が惜しくなってきます。

まずは、敷地の全体計画からです。
新しく建てる住宅は、前面の道路側に建てることになりました。
母屋のあった部分は、トトロの森への入口で
母屋にもたれ掛かっていた藤のために藤棚をつくってあげて、
ひらけた日当たりの良いスペースとして位置づけました。

具体的な現場の動きは、倒壊していた母屋の解体処理から始まりました。
納屋は、一緒に解体してしまうか迷いましたが、
この土地の最初の雰囲気や有効利用を念頭において
残すことになりました。

模型写真
住宅(将来お店兼?)の平面計画も進んでいます。
これからいろいろな使い方(シーン)を想定して、
計画をつめていきます。