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喜茂別O2計画
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□はじまり(08.04.10.)

喜茂別町に計画中の店舗+住宅です。

道路の拡張に伴う土地の買収により、
20年以上続いたお店が解体され、
その再建を期に、娘さん夫婦の住宅を併合しようとする計画です。

お店と住宅の、《付かず離れず》の(間合)を模索することが計画の中心です。
限られた間口を、お店と住宅で分け合うのも難題です。

さて、
店のオーナーである母親と、住まいの主である娘さんが、
同じ屋根の下で仲良く生活できるような計画を、
果たして、提案できるのでしょうか?

□敷地写真
敷地正面から
□模型写真(08.04.17.)
typeA
typeB
A&B

1階店舗部分の厨房を手前の道路側にするか、
奥にもっていくかで、2つのプランを提案しました。
それによって、階段の位置が変わって
2階のプランも変化します。
それぞれの良いところを出し合って、
より良い計画を進めていきます。
□A・B案の検討(08.04.18.)

《お店と住宅の『顔と入り口』をどうするか?》
計画の始まりは、ナント行っても、それに尽きました。

国道に面する、約10Mの間口に、お店と住宅の入り口を別々に取りながら、
お店の顔を創っていくにはどうするか?

『困った時の神頼み』ではありませんが、久しぶりに、
《家相シート》を持ち出し、それぞれの入り口に適した位置を見定めました。

結果的には、辰巳(南東)の方角にお店の玄関を、
甲乙(東)の方角に住宅の玄関を配置するのが吉相と出ていました。
そうすると、お店の入口が、建物の中心になるので、
《顔》も創りやすく、間取もスムースにいくことが判りました。

国道側に車のスペースを確保すると、必然的に建物の規模が決まってきます。

倉庫を改造した以前のお店と比較すると、大分小さくなりますが、
天井の高さは確保して、《伽藍(ガラン)とした雰囲気》だけは確保して、
『お馴染みさん』の期待に応えるようにしました。
でも、それによって二階の住宅の階段が増えるのはコストと生活に影響するので、
お店の床を地面より少し(75cm)下げることにより、
在来の建物高さで、お店の天井高3.5Mを確保しました。

次に問題になったのは、お店の厨房と母上の休憩室の位置でした。
以前のお店の厨房は、玄関に入ったところにあり、
休憩室は、小屋裏を利用していたので、
ヤハリ、玄関の傍にあり、管理上の安心感がありました。

それで、
A案(管理部門が奥にあるタイプ)
B案(管理部門が手前にあるタイプ)
をつくり検討したところ、二階の住宅の間取は、
B案の方が階段がLDKの中心に来て魅力的な提案になりましたが、
管理上いいと思って考え始めたのですが、
やってみると、意外とそうではないことが判明しました。
原因は、元々限られていた間口の大きさに対して、
ふたつの玄関に管理部門も加わり、限界を超えてしまったと考えられます。
『一階が決まらないと、二階の計画が進まない!』
というプレッシャーを感じながらの母上との打合せを進めましたが、
『ヤッパリ、A案にしよう!!!』と決めたとたん
『それで、アンタ達は、どうするの?』と、
プレッシャーを掛ける側に立つ変わり身の速さは、惚れ惚れするほど見事でした。

□二階打合(08.06.18)
一階が決まると、ヤット、二階の打合せに熱が入ります。

今までは、敷地が決まらないのに家の話をしていたような感じでしたから・・・。
でも、そういう状況の中での打合せは、意外とフリーな話し合いが出来、
設計の側からすると、とても有意義な打合せになるものです。
アルクムにも最近、敷地捜しから相談される方が増えています。
もちろん、敷地による影響は計りしれないものがありますが、
それ以前に、こうしたい、あれはいやだ、という部分が、
計画に大きく作用することもしばしばあります。

たとえばK24S邸(2004年)のように、
地下鉄の駅から3分の繁華街のはずれにありながら、
太陽燦々(サンサン:駄洒落です!)の中庭でバーベキューができる家を実現したり、
森の家(2005年)のように、バス通りに面しながら、
森の中で生活しているような家を、
3本の大木を残すことにより実現したり出来たのも、
敷地を決める前から相談にのっていたからかも知れません。

ともあれ、二階のライフスタイルは、大らかで開放的な生活が出来、
お客さんとも、気持ちのよい環境を共有できるような家にしたい、
というコンセプトに変わりはありませんでした。
幸い、というか、一階の店舗の大空間を維持する為に、
二階も必然的に大空間になることを利用して、
25畳のLDK、和室を含めると30畳の大空間が確保されました。
その大空間を2.3Mの積雪から守る為の40cmの大梁を露出させ、
住宅としてはダイナミックな空間が提案できました。

計画の途中から登場した
《アスパラとジャガイモの街:喜茂別》という『景観規約』の対応もしながら、
なんとか、確認申請と見積調整までたどり着きました。
お店の復活を待望している町民の方には、
いま少しのお時間を戴きたいと思っております。
7月着工という目標に向かって、着々と(?)進んでおります。

2階内部
居間を見る
□地鎮祭(08.07.11)

4社による合見積もりの結果、見積調整も終わり、施行業者が決まり、
7月11日(土)に、目出度く地鎮祭を行うことができました。
計画の当初は、サミット開催中は工事ストップですね、
などと言っていましたが、
サミット終了を待つようにしての着工に、相成りました。
これで、工事途中の中断の心配はなくなった訳で、
マズマズ、といったところでしょうか?
1階の店舗の床が道路より75cm下がっているので、
排水の勾配が取れるかどうかを検討したり、
前面道路が拡幅により高さが変るので、
道路の設計図を確認しながら、建物の高さを決める作業をして来ました。

さあ、待ちに待った工事が始まりました。
喜茂別町民のみなさん、今しばらくお待ち下さい!!!

□基礎工事(08.08.11)
現場は、基礎工事中です。
この日は、半地下になる布基礎の打設をしました。
写真の大きく掘り下がっている部分が
店舗のフロアーになります。
←前面道路側から
←敷地奥側から
□上棟式(08.09.23)
9月23日の秋分の日に
上棟式を行いました。
Oさんご家族をはじめ、町長さん、町内会長さんら
たくさんの人が参列されました。


餅まきには
ご近所さんがたくさん集まり、
まかれたたくさんの餅をみんなで拾い盛り上がりました。
←餅撒きの様子
←餅拾いの様子

餅撒き後、店舗のスペースで、
50人ほどが集まり’なおらい’が行われました。
お店にお客さんが50人入っても
大丈夫なことがわかり安心しました。

なおらいでは、若い人の知らない
古い喜茂別のお話が飛び交い、
笑い声の絶えない楽しい会になりました。
(楽しすぎて写真撮り損ねてしました。)

工事の方は、外壁に下地のコンパネが張られ
屋根のシート防水ができています。

建物一番上の物見台からは、
羊蹄山(1898m)や後方羊蹄と呼ばれる尻別岳(1107m)が
眺められます。
←尻別岳
08.10.01
現場は、
窓が納まり、2階の床板張をしています。
←2階和室から居間を見る
←1階店舗入口か内部を見る
打合せでは、内部仕上げの材料や色、
照明器具などを決定していきます。


↑店舗イメージスケッチ2タイプ
←2階リビングよりキッチンを見る
←2階キッチンより居間を見る
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